何度も書いていますが、私は可能な限り狩猟採集生活のように生きたいと願っているのです。 私が実践している「エセ狩猟採集生活」は、
「なるべく走ること」
「なるべく薄いシューズ(夏場は、ときに素足)で走ること」
「高タンパク低炭水化物食にする。砂糖NG。穀物をなるべく摂取しないこと」
「固い床で寝ること」
などでしょうか。
3ヶ月前からは「シャンプーをしないこと」が加わりました。
ヒトの歴史は、数百万年。狩猟採集生活に適応するように自然選択(進化)してきた人間が1万年前に農耕生活にシフトしました。炭水化物の摂取量が増えます。さらに、産業革命以降の200年余りで、なるべく動かない生活を手に入れました。
でも、1万年の急激な変化に人間の身体は追いついていないのです。文明病──ダニエル・E・リーバーマン言うところの「ミスマッチ病」──が生じました。たとえば、靴を履き始めた現代人は水虫、外反母趾、扁平足などの症状に悩まされています。モニタを毎日見ている私は当然のように近眼です。狩猟民なら猛獣に襲われちゃいます。
驚いたことに、世界に点在する現代の狩猟採集民には癌や心臓病や脳梗塞が滅多に見られないそうです。理由は食生活や運動習慣か?……狩猟採集民は、乳幼児期を生き延びれば、平均寿命は70歳くらいだそうです。短いじゃないかって? 彼らには病院もサプリメントも抗生物質も手術もないんです。もし、現代文明に生きるわれわれの社会に病院、歯科医、薬局などがなかったら平均年齢は何歳になるでしょうか。癌になっても誰も手術してくれないし、そもそも癌と診断されることもありません。
昨秋、私はシャンプーやリンス、石鹸などに疑問を抱きました。狩猟採集民はシャンプーなんてしないよな」と思ったのです。
Wikipedia で「シャンプー」の項を見ると、日本では、界面活性剤入りのシャンプーが1950年に売り出されたとあり、瞬間湯沸かし器が発売された1965年から毎日シャンプーするようになったとか。
1965年といえば私が生まれた年です。つまりわれわれは毎日シャンプーのほとんど第一世代なのです。
思いついたが吉日。シャンプーリンスのたぐいはやめちゃいました(身体は、汗をかきそうなところを中心に泡状ボディソープで軽く洗っています。ほんとは洗わないほうがいいのかもしれませんが……)。「シャンプーやめるなんて不潔」と言う妻に「3ヶ月限定でやらせて」と頼み込みました。
『塩シャンプーで髪が増えた!』や『シャンプーをやめると髪が増える』などを参考にして塩で頭皮を揉んだり、めんどうくさいときは単にお湯で流したり……。
すると、1週間もしないうちに変化がありました。猫っ毛でペタッとしていた髪の毛が自立し、明らかに太くなりました。脂でベタベタになりはしまいか、臭うんじゃないかなどと危惧していたのは杞憂のようです。髪が伸びるのが早くなった気がします。洗髪しない床屋さんがあればなあ、と思ったら、10分でカットするチェーン店はシャンプーなしだそうで、渡りに船でした。
髪が増えた気はしませんが、髪も頭皮も元気になったのは確かです。そろそろ約束の3ヶ月になるけど……とこちらから切り出す前に、妻が「もう少し続ければ」と言いました。ほほ。
もしも──あくまでも、仮定の話ですよ──シャンプーのたぐいが人体に悪影響を及ぼすもので、それにより化粧品業界や育毛業界やかつら業界や医療業界が儲けているとしたら、なんか不思議な話です。穀物の熱したデンプンや砂糖、つまり農耕開始以後に多くの人間が虫歯や高血糖に悩まされ、それで儲けている医療業界があるのに似ているような。
ともかく髪や頭皮のトラブルに見舞われている方、私のように狩猟採集民を目指している方(そんな人、いないか)は試してみるのもいいかもしれません。
人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・E・リーバーマン,塩原通緒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/11/21
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病(下) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・E・リーバーマン,塩原通緒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/11/21
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
シャンプーをやめると、髪が増える 抜け毛、薄毛、パサつきは“洗いすぎ"が原因だった! (ノンフィクション単行本)
- 作者: 宇津木龍一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/08/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (7件) を見る