羽生善治、タイトル通算100期獲得なるか。

 走ることとは関係ない話です。

 読売新聞の記事の見出しに「羽生竜王、百冠か無冠か」とありました。
「通算100期なるか通算99期のままか」
「唯一もつタイトルを防衛するか、無冠になるか」
 のふたつがゴッチャになっています。

 通算100期も、27年ぶりの無冠というのも、大ニュースには違いありません。羽生善治ファンとしては、(挑戦者・広瀬章人八段に申し訳ないけど)今回は羽生に勝ってもらいたい。羽生にも、もう「あんな記録やこんな記録を達成してくれ」なんて無茶な期待を抱きません。だからお願い、今回だけは……。
 
 羽生が通算タイトル100期に挑戦するのは3度目になります。
 じつは、記録のかかった大勝負を羽生は一発で仕留めたことは少ないのです。

 七冠同時制覇の最初のチャンスは、1995年1月に始まった王将戦七番勝負でした。羽生六冠が谷川浩司王将に挑戦、ファンは前人未踏の七冠達成を見てみたかったはずです。
 シリーズ初戦と二局目の間に、阪神淡路大震災が起きました。神戸在住の谷川は被災し、世間のムードも少し変化、谷川に対する応援も増えたようです。最終局までもつれ、谷川がシリーズを制しました。羽生の全冠制覇はならなかったのです。
「もう七冠は無理かなあ」と思いました。だって次の1年間で、6つのタイトルを防衛し、残る王将戦の挑戦者にならなきゃいけないのです。ところが羽生はそれを成し遂げ、翌年ふたたび王将戦に挑戦、4連勝で七冠を制したのでした。

 名人を5期獲得すれば得られる永世名人の称号も苦労しました。
 2004年に十八世名人のチャンスが巡ってきます。ところが、04年も05年も、同世代のライバル森内俊之に敗れます。タイトルの獲得実績では羽生より少ない森内が先に永世名人になりました。羽生が十九世名人の資格を得るのは、08年。いやあ、気を揉んだねえ、このころは。

 残る永世称号は竜王だけになりました。永世竜王の資格は連続5期か通算7期獲得。初のチャンスは2003年でしたが、森内の挑戦を受け防衛失敗。
 08年、竜王4連覇中の渡辺明と、通算6期の羽生が、初代永世竜王を賭けて戦いました。これが伝説の七番勝負。後半、渡辺の将棋が神がかっていて好守連発、羽生は将棋界初の3連勝4連敗という屈辱を味わいます。10年にも渡辺に敗れました。以降は挑戦者にもなれず、「もうダメなのかなあ」と感じていました。
 やっとチャンスが訪れたのは昨冬のこと。ようやく永世竜王&永世七冠を達成したのでした。

 ……こうして振り返ると、谷川浩司、森内俊之、藤井猛、渡辺明らが好敵手として羽生と鎬を削っていたことがいろいろ思い出されます。

 昨年竜王位を獲得したとき羽生のタイトルは通算99期でした。100期は難しくなさそうでしたが……。
 今年春、名人に挑戦して敗れ、保持していた棋聖を失冠し、現在の竜王戦で3度目の正直なるか、なのです。
 ヤキモキ、ドキドキ。
 この2日間ばかりは、将棋を知らないひとが羨ましい。
 明日は夕方から仕事にならないかもしれません。

【追記】
ううう、羽生善治、無念。自然に見えた△2二玉が失着とは。
広瀬章人新竜王、おめでとうございます!