クライマックス・シリーズ雑感。

 仕事ばかりで思うように練習できない日々。
 野球のクライマックスシリーズも生中継を見ることは少ないんです。
 経過だけはチェックしていました。

 昨年、広島カープはセ・リーグで優勝しながら、CSファイナルステージで横浜DeNAベイスターズに敗れてしまいました。ラミちゃんの短期決戦の戦い方が見事で、またベイスターズが相手だったらどうしようとビクビクしていましたが、今年は読売ジャイアンツが3位になりました。
 去年も書きましたが、エースと2番目を温存してファーストステージを戦い、ファイナルステージ初戦にぶつけるのが、2位・3位チームに有効な作戦ではないかと考えています。ファーストステージを勝ち上がっても、そこからの日程はかなりタイトです。
 だからジャイアンツがファーストステージ初戦に今村投手を先発させたことに衝撃を受けました。シーズン終盤に冴え渡った菅野を温存してカープにぶつける気だ。本気で日本シリーズに出る気だな、と身構えたんですが、次の試合で菅野が登板……? ノーヒットノーランはお見事でしたけど、正直カープにはありがたかった。
 ファイナルステージ第2戦、田口、畠の広島出身投手に苦しんだカープですが、ジャイアンツが畠を引っ張り過ぎたため逆転しました。アドバンテージふくめカープの3勝0敗。さあ、中4日でいよいよ菅野か……と思ったら、先発マウンドに上がったのは今村投手でした。う〜ん、エースがフル回転するもんじゃないんですかねえ。
 
 西武ライオンズとソフトバンクホークスに目を転じると、ホームランの応酬です。
 以前から薄々感じていたことですが、パ・リーグはすでにフライボール革命が起きていますね。
 大リーグがデータを集積してして分析したところ、ゴロよりもフライのほうが打率がアップするとわかり、大飛球を打つ角度や打球速度を割り出しました。もっとも効率のいいヒッティング・スポットは「バレルゾーン」と呼ばれます。結果、大リーグのホームランが爆発的に増えました。チームを挙げて「フライボール革命」を標榜した昨年のヒューストン・アストロズはワールドチャンピオンになりました。
 重力により少しずつ下がってくるボールに向かってバットを振り、ボールの少し下を強くヒットして大飛球を打つため、フォロースルーはゴルフクラブを振ったときのような軌道になり、背中は弓状に反ります。日本でそんな打ち方をしていたのは、昔はカブレラやローズなどの外国人だけでした。王でも落合でも、昔の選手もボールの下を潜らせてフライを上げていたはずですが、スイングし終わると背中が丸くなっていましたよね。おそらく柳田のほうが飛距離の出る打ち方だと思うのです。
 検索してみると、あにはからんや、ソフトバンクは意図的にやっているようです。昨年、フライボール理論にいちはやく取り組んだのは柳田悠岐で、今年から、上林誠知、中村晃各選手も実践していると、藤本1軍コーチがテレビで語っていたらしい。元日ハムの大谷も背中が反り上がる打ち方をしています。
 柳田ほどアッパーではないかもしれませんが、西武の山川、浅村、中村剛らもあきらかにフライを意識しています。
 セ・リーグの日本人選手にはあまり見当たらないんですよね。巨人の岡本はそんな感じかも知れません。
 ホームランが量産されそうな雰囲気のパ・リーグですが、ホークスにつづき、ロッテの本拠地でもラッキーゾーン(ホームランテラス)ができるそうで、来年は複数の50発打者が出ると予想します。
 おっと、長くなりそう。この話はここまで。

 急に昔話をします。1986年の日本シリーズのことです。
 広島カープ対西武ライオンズ、初戦引き分けのあと、カープが3連勝しました。
 迎えた第5戦。チケットを持っている友人に誘われて西武球場に行ったのです。胴上げが見られるかも、と期待していました。
 ドーム屋根をかぶるまえの球場です。試合はロースコアで膠着状態、盛り上がりに欠ける試合はただただ寒い。料理研究家・結城貢が唇を紫に染めて歩いていました。
 1対1で迎えた延長十二回裏(当時の延長ルールは記憶していませんが、第1戦は十四回で引き分けになってます)。1死2塁で、バッターボックスには工藤公康投手。パ・リーグはDH制だから、工藤は1年間打席に立ったことがありません。
 ここは三振だな、とわれわれは寒いのでコーヒーを買いに行きました。
 すると、ワッと大歓声!
 振り向くと工藤が打ったらしき打球が一塁線を転々としているではないですか? まさかのサヨナラ負けです。
 それを皮切りに、西武が4連勝で逆転優勝しました。最終戦は授業サボってテレビで見ました。ホームランを打ったあとの秋山のバク転は忘れてないぞ。
 
 それから32年。
 相手はライオンズと予想していたので、32年ぶりにやり返してやる! と意気込んでいたのです。ところが日本一を争う相手はホークスになりました。
 が、しかし!
 ホークスの監督は誰あろう、1986年の3連敗4連勝の立役者であり、優勝決定のときにもマウンドにいた工藤公康です。
 ならば、あの屈辱のシリーズを知るカープ選手は今年のベンチにいないのか?……ん〜と、ええっと……あっ、いた! 達川光男だ。くそっ、畜生、達川はホークスのコーチじゃん。(冷静に見て、ホークス有利と感じてますけど)