田中宏暁先生の新刊でミトコンドリアの話を読む。

スロージョギングでサブ4達成!  誰でも楽に走れるマラソンの科学 (洋泉社MOOK)

スロージョギングでサブ4達成! 誰でも楽に走れるマラソンの科学 (洋泉社MOOK)

 

 この本、取り寄せました。A4サイズの大判です。
 田中先生の本は繰り返し読んでいるので内容は既知のものですが、ランナーの体内で何が起きているのか、どうすれば速くなるのか、という運動生理学的な話が、初心者にもわかりやすく書かれています。
 たとえば、最大酸素摂取量を向上させる、とはどういうことか?(44〜45ページ)

(略)最大酸素摂取量を決めるのは、心臓から骨格筋が消費する酸素の量。骨格筋に送り出される血液量は、心臓のポンプ機能と毛細血管の数によって決まる。また、酸素の消費量はミトコンドリアの数に依存される。つまり、ミトコンドリアの機能が高まれば、ランニングスピードは速くなるといえるのだ。
 これには、アメリカ・ハーバード大学のスピーゲルマンのグループが発見したPGC-1αと呼ばれるたんぱく質が関係してくる。マウスの遺伝子操作により、このPGC-1αが増加すれば、ミトコンドリアも増えることがわかったのだ。また、このPGC-1αを増加させるのは、交感神経の興奮、エネルギーが膨大に使われたときに活性化するAMPキナーゼ、筋収縮時に放出されるカルシウムイオンにより活性化される酵素であることがわかってきた。このいずれも、運動強度が強いほど生じる物質であり、それをすることでPGC-1αが増加し、ミトコンドリア機能は高まるのである。

 つまり、ミトコンドリアがカギだということです。
 田中先生の研究によると、「ニコニコペース」(主観的に「ラクだ」と感じるペース)では PCG-1α が発現するが、「ルンルンペース」(「かなりラクだ」と感じるペース)では発現しなかったと続きます。
 つまり、ゼーハーきついペースでなく、会話ができるニコニコペースであっても走っていれば、ミトコンドリアの機能が高まるのです。
【追記=ちょっと誤解を与える表現でしたか。コメントで、「運動強度が高いほどPGC-1αの発現量が多いことは多くの研究で明らかです。つまりゼーハーのほうが多く発現します。ニコニコペース(LT1の強度)は最低限の条件だということです」と教えていただきました。書きたかったことは、要するに、ゆっくりしか走れない初心者でも、日々練習していれば、だんだん速くなるということです】
 私はスピード練習しなくても、こつこつゆっくり走っているうちにタイムが縮まりました。最初は1キロ6分さえきつかったのに。そんなもんです。
 
 ミトコンドリアに関する話は、そのうちまた。