高負荷インターバル・トレーニングの方法 ①

 田中先生考案のインターミッテント・トレーニングと坂道ダッシュを交互にやりはじめたところです。本日は、田中宏暁式坂道ダッシュ4本でした。決められた距離の、30秒坂道ダッシュですが、いつもより1〜2秒遅かった。しくしく……。
 それらは高負荷インターバル・トレーニング(High-intensity interval training, HIT, HIIT)の一種なんだろうと思います。タバタ式トレーニングが有名ですね。

 私がHITを知ったのはアレックス・ハッチソン
『良いトレーニング、無駄なトレーニング』だった気がします。いま見返すと、「Q.週に七分間の運動でも効果ある?」(36ページ)にいくつかトレーニング方法が挙げられていましたので紹介します。


◆(30秒激しく運動+4分休憩)× 4〜6回

◎カナダの運動生理学者マーティン・ギバラらの実験
《30秒間できるかぎり激しくエアロバイク(自転車型運動器具)をこぎ、4分間休憩。この4〜6回の繰り返しを1セットとし、週に3回被験者におこなわせたところ、運動能力、筋肉の新陳代謝、心肺の状態に、週に5回、1日1時間の運動をした場合と場合と同等の効果が見られた》
 カナダ、ゲルフ大学のジェイソン・タラニアンらの研究では、筋肉や心臓に血液を送る主動脈の機能を、HITによって一般的な有酸素運動のトレーニングと同じくらい向上させられることがわかっている。また、脂肪も燃焼しやすくなり、その状態が日常生活での軽い運動で持続することも明らかになっている、とのこと。

◆(60秒全力+2分休憩)× 10セット

◎1954年、1マイル4分の壁を破った英国のロジャー・バニスターの主な練習
《ロジャー・バニスターの練習が、60秒の全力疾走と2分間の休憩を10セット繰り返すインターバルトレーニングだったことはよく知られる。バニスターは医学生で、トレーニングに使える時間が昼休みの30分に限られていた》
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 そんな練習してたっけ? と、『パーフェクトマイル』でバニスターの練習法(164〜166ページ)を確認しました。1952年12月から翌年の2月までは、近くの学校のクリケット場でさまざまなトレーニングをし、「スタミナの養成に余念がなかった」とあります。お気に入りはファルトレクだった、とも。
 3月からはトラック練習に入りましたが、勉学との両立のために「どんどん激しいトレーニングを考え出さねばならな」かった。
「トラックでの練習はインターバル走だけに限った。この方法は以前もスピード養成に利用していたが、これほどの激しさでおこなったことはなかった。彼のトレーニング理論は単純明快だった。おなじ距離を週ごとにだんだん速く走る、というものだ。あるとき彼は、六三秒のペースでトラックを一〇周し、それぞれの合間の周回も二分から三分にしか落とさないようにした」とあります。これが上記の練習なのでしょう。「一日一日が、前日の結果に照らしてのテストだった」とあるから、毎日やったんですかね。
『良いトレーニング、無駄なトレーニング』に戻ります。

◆(30秒スプリント+4分休憩)× 3〜6セット

◎西オンタリオ大学による実験
《被験者を30秒のスプリント走を3〜6回、4分間の休憩を挟んでおこなうグループと、1度に連続して30〜60分走るグループに分け、それぞれ週に3回のトレーニングを6週間おこなわせたところ、両グループの持久走の向上と脂肪の減少はほぼ同じだった。
 ただし、持久力向上の原因は違った。長距離を走ったグループでは、血液から酸素を摂取する能力が、心臓が送り出す血液量が増えたことが主な原因であったのに対し、HITのグループでは、血液から酸素を摂取する能力が、筋肉の強化によって改善したことが原因だった》
 アレックス・ハッチソンはこの練習と効果を紹介しながら、心臓と筋肉の強化はどちらも重要であるため、トレーニングをHITのみにするのは好ましくなく、「HITと持久力トレーニングを併用すべきでしょう」と書いています。また、数分で1時間と同じ運動効果を得るためにはリスクも伴う、と注意していますので、念のため。

 田中宏暁先生が考案された30秒ダッシュ×4本およびインターミッテント・トレーニングに関しては、過去の投稿をご覧下さい。

 ★この話、続きます。

 以下、参考書です。

良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識

良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識

  • 作者: アレックス・ハッチンソン,児島修
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2012/02/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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パーフェクトマイル―1マイル4分の壁に挑んだアスリート

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