狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『ガイアの夜明け』きねや足袋MUTEKI

今月は、ランニング足袋「MUTEKI」と「Toe-Bi」で200km走っています。

本日、久々に、ミズノ・ウエーブエンペラーで走りましたが、足がジーンと痺れる感じがしました。この痺れは、ドロップ(爪先と踵の高低差)が大きいモデルを履いたときに顕れる症状です。エンペラーは9mmでドロップ。むしろ高低差は小さいほうです。ゼロドロップの足袋シューズばかり履いていたので、9mmでも踵が高いと感じてしまうようになったのか……?

それはともかく。

昨夜放送の『ガイアの夜明け』を、録画して2度見ました(そのうちTVerでも見られるそうです)。

『陸王』に便乗しすぎたり、あらぬ誤解を生む内容じゃないかと危惧していました。たとえば、ベアフット系ランをすれば自然にフォアフット着地になるとか、絶対に故障をしないとか……。

しかし杞憂でした。確実なことだけを伝えていたという印象です。普段テレビを見ない私ですが、いい番組だと感じました。

きねや足袋・中澤社長が開発した「MUTEKI」や「Toe-Bi」を履かせ、実際に高校生を指導する高岡尚司コーチのことも丁寧に追っていました。子供のころからシューズに守られていた高校生は「MUTEKI」を初めて履いたときこそ戸惑っていましたが、半年で成果が出てきたそうです。

まったくコンセプトの違う、厚底かつ高反撥シューズ「ナイキ・ズームヴェイパーフライ4%」(ナイキの商品名ってほんとうに覚えづらい)の取材も見応えがありました。オレゴンまで行ったんですね。シューズの開発者の一人が、「理想のフォームとは幻想だ。ズームヴェイパーフライは、フォアフット、ミッドフット、ヒールストライクいずれの場合も速くなる」と言いました。『BORN TO RUN』で批判された過度なクッション性に反撥力を加えることで、ナイキは独自の路線を進もうとしています。

でも、高さ50センチ高さから裸足で飛び降りたとき、踵から着地できますか?

裸足で走ったら、人間はどんなふうに走らざるをえないのでしょうか?

踵でおそるおそる着地することも可能です。しかしスピードは上がらない。

裸足の王者アベベ・ビキラは1960年のローマオリンピックで、当時の世界最高記録2時間15分16秒を叩き出しました。裸足ランでスピードを上げるなら、彼のようにならざるをえず、それが人間本来の走り方なのかもしれません。

きねや足袋「MUTEKI」や「Toe-Bi」はなるべく裸足に近い状態、すなわちつい数十年前か百年前の、ペラペラな履き物で走っていた時代や、さらに遡って太古の、シューズそのものがなかったころを思い出させようとしています。

番組では、世界的スポーツメーカー・ナイキのコンセプトシューズの話が終わったあとで、大企業とは呼べない足袋屋さんとシューズを開発する高岡氏のセリフが紹介されました。「ケガをするのはシューズに依存しすぎるのが一番大きな原因なので、自分の足をしっかり磨くこと」が大事である、と。

7、8年前のこと。

初マラソンを前に不安になった私は、「タイムがぐんと上がる」という広告に惹かれて某カスタムインソール・ショップに行きました。そこで合わないシューズとインソールを押しつけられ、結局は喧嘩別れになりました。「きみはフルマラソンを走ったら、深刻なケガをする」と警告されましたが、まだ走っています。ふん。

以来、「道具に頼るのはよそう」と決めました。

私の場合、ナイキを選ぶか足袋を選ぶか、結論は最初からわかっているんです。

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