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『白米が健康寿命を縮める』……チョーこええ。

食事・ダイエット 参考書/読書/映画

 ※説明するのが面倒くさいので、今回は炭水化物と糖質をごちゃまぜに使います。

 数年前、テレビで見た村田諒太選手と女性タレントの会話。
 女性「どんな料理が好きですか」
 村田「ん〜、和食は苦手です」
 女性「ええッ! 和食はヘルシーなのに」
 村田「食べたあと、口のなかがベタベタするのがイヤなんです」
 ……私の感想はこうです。「村田選手よ、私には分かるよ」

 20年くらい前、禁煙してから、甘さに過敏になりました。ある日、ビールを飲んでいると、いつもより格段に甘い。「誰かが角砂糖いれたのか?」とあたりを見ました。煙草を吸っているあいだはビールの甘さを感じてなかったんですね。
 走りはじめてから「本来、人間はどんな動物だったか」と考えるようになりました。前にも書いたとおり、人間の食事に関して私なりの結論は出ています。

 虫歯になる食べ物は、もともとの人間の食べ物ではない。

『炭水化物が人類を滅ぼす』などには血糖値上昇の弊害や糖新生のメカニズムから炭水化物は必須では無いと説明されますが、もっとシンプルに、甘いものは虫歯になるからそもそも人間の食べ物ではない、と言えるはずです。ビール、日本酒、ジュース、お米、パン、砂糖の入った料理やお菓子などを食べると口がベタベタします。あの粘りは炭水化物に共通ですよね。
 人間の歯は霊長類のなかでもかなり硬いと、島泰三『親指はなぜ太いのか』にあります。その頑丈な歯を齲蝕(うしょく)させるものが糖質です。野生動物は虫歯になると命取りでしょう。かつては人間だってそうだったはずです。われわれの身体は糖質を摂るように設計されていないのです。
 虫歯になる・ならないの観点から人間の食事について書いた本はないかと検索していると、花田信弘『白米が健康寿命を縮める』が見つかりました。サブタイトルは、「最新の医学研究でわかった口内最近の恐怖」。
 一読……ああ、こわかった。
 あまりにもこわいのでサーッと斜め読みし、おそるおそる読み返しました。
 虫歯の穴や歯肉溝から侵入した細菌が体内にいじわるをし、血管系の病気や、がん、認知症につながるというのです。慢性炎症を引き起こし、ジワジワ身体をむしばむというのも恐ろしい。その影響は私の想像を超えていて、チョーびびりました。足の動脈と口内細菌は9割方一致するんですって。
 はい! 歯磨きします! 歯医者に行きます! 糖質は極力避けます!
 砂糖と、加熱して糊化した穀物や芋類のデンプンは大敵らしい。
 砂糖は頑強なエナメル質を融かし、米はその内側の象牙質を虫歯にすると書かれています。和食はじめアジア料理は砂糖をふんだんに使います。
 旧来の主食重視は理想の食事ではない、と著者も書いています。瑞穂の国に生まれた我々は、お米を残さずたくさん食べることこそがいいと教えられてきましたが、それにより病気になるのであれば、見直すことも必要です。この本にあるとおり、カロリーという概念も見直すべきです。虫歯になる甘いものばかり食べてカロリーを稼いでも仕方ない。必要なのは、人間がもともと必要としている栄養素だもの。

 ……ひとつ疑問なのは、果物です。
 果物では虫歯になりませんか? 私は果物は多少食べたいんですよね。たとえば、オレンジ色ではなく黄色い柑橘類は、比較的甘みが少なく酸味がまさっています。これからの季節だと、蜜柑は嫌いだけど、金柑は好物です。
 熟れたバナナは口がネチャネチャしていて苦手ですが、どうなんだろう、サルはバナナを食べて虫歯にならないのかな、と思ったら、こんな記事(動物園の食卓革命 バナナ禁止、サル健康に:朝日新聞デジタル)がありました。

サルにバナナなどの果物をやめたら肥満がなくなり虫歯も減ったとの英国の動物園の発表を参考にした。

 雑食できる人間は火を使うことで米や麦や芋、アク抜きしたドングリを食べられるように加工しました。結果、安定的な食糧を得て人口は爆発的に増加しましたが、一方で糖質による病気や肥満に悩まされました。
 生態系から飛び出したわれわれは地球上に殖えすぎたのではないかしら。考えれば考えるほど、甘くて(私以外には)美味しくて罪深き、炭水化物。

      ☆

 この本で、目から鱗が落ちたことをひとつ。
 675年、天武天皇が肉食を禁じたのは仏教的な考えに基づくものだといわれてきましたが、著者は否定しています。禁猟は春から秋までと定められていました。農耕期はきちんと農業に従事させ、年貢を確保させたかったのだ、と言うのです。動物よりも米は管理しやすく税金をとりやすい。なるほど。

白米が健康寿命を縮める 最新の医学研究でわかった口内細菌の恐怖 (光文社新書)

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