狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

日本のマラソンの強化……?

 リオデジャネイロオリンピック2016、みなさんお疲れさまでした。
 私が生中継で見た競技は限られるんですが、男子4×400mリレーには興奮しました。10年近く前から応援している山縣亮太選手の首に銀メダルがかかっているのを見ると、なんか感慨深いのです。
 男子50km競歩はちらちら眺めました。私のフルマラソンのベストよりペースが速いのがなんか悲しい。銅メダルの新井広宙選手はお見事でした。途中、止まったりぶっ倒れたりしたヨハン・ディニズ(フランス)が8位でゴールしたのは驚きました。

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 閉会式の首相のパフォーマンスは……ええっと……ノーコメント。(アニメやゲームなどのサブカルがいつしか政府公認となり、日本文化の代表選手になったのだと思うと複雑です。「マンガばっかり読むんじゃありません」「ゲームをやめて宿題をしなさい」と言われたから、それらは魅力的だったんじゃないかな)

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 閑話休題。
 マラソンの話を書こうと思ったのでした。
 男女ともにマラソンはダイジェストで見ただけです。男子マラソン、あの蒸し暑さのなか、2時間9分を切ったキプチョゲは驚異的でした。終盤はトラックのスピードで走っていました。夏マラソンも確実に高速化しています。
 日本人の結果は、多くの人にとって順当だったのではないでしょうか。
 惨敗をうけて日本は強化をやりなおすといろんなところに書いてあります。いったい何をどうするんでしょう? ふだん、大学も企業もメインは駅伝の強化で、マラソンは二の次です。よく、国際レースで負けた日本人が「こまかい駆け引きで消耗した」といいます。ふだん参加するレースは日本人が多い国内レースばかりだから、海外でアフリカ勢と競る経験が少ないのでしょう。とはいうものの、テレビ中継のない海外レースに出場することは、所属企業の宣伝としては効果が薄い。
 忠鉢信一『ケニア! 彼らはなぜ速いのか』には、ケニアランナーは集団で走り始めると、その日の練習メニューを無視して競走してしまうとありました。国際大会でメダルを獲るか獲らないかで、彼らの生活は一変するんですから必死です。
 一方、日本では、レースでアフリカ勢に負けても「日本人1位」という基準があり、それなりに持て囃されます。日本の長距離界はガラパゴス化しているのです。
 ……日本新記録で賞金1億円というニンジンをぶらさげてもナショナルチームをつくっても改善されなかったマラソンをどうやって強化すればいいんでしょう。
 とくに男子の場合、
どんどん海外のレースに参加すること、駅伝中心をやめることあたりからやり直すことでしょうか。しかし、これらは実業団ランナーにとっては根本的な変換に思えます。あるいは、受動的ですが、突然変異的な選手を待ち続けるか。
 
中距離のトラック種目強化も、駅伝中心だと難しいのかもしれません。
 
オリンピックでの中長距離ではメダルに期待せず、ニューイヤー駅伝や箱根駅伝を楽しむことが、ガラパゴス化した日本陸上ファンの正しい振る舞いかもしれません。(その点、日本から飛び出した大迫傑選手ヤ高松望ムセンビ選手には期待しています。私個人としては駅伝ファンでもありませんし、ケニアやエチオピアのランナーをほれぼれ眺めていれば充分満足なのですが)。

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 メダルの価値がすべて同じで、金メダルの数だけを狙うなら、競歩を強化したほうがいいかもしれません。あちらはアフリカ勢が目をつけていないぶんつけいる隙があるんじゃないでしょうか。競歩は駅伝がないから、世界陸上やオリンピック一本に照準を合わせられますし。

ケニア! 彼らはなぜ速いのか

ケニア! 彼らはなぜ速いのか