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『脱・筋力主義 スポーツ上達のコツ』

 5月2日朝から、右肩の付け根あたりに痛みを感じるんです。朝がもっとも痛く、徐々に薄れますが、1日じゅう痛いことは痛い。前後や身体から放す方向に、肘を30度くらい上げたらズキッとします。外旋、内旋もつらい。上腕二頭筋の腱あたりの炎症のように思いますが……わたくしただいま満50歳。

 こ、これがいわゆる五十肩!?

 記憶にないけど、変な寝方したのかなあ。しばらく様子を見ます。ジョギングくらいならできます。
 出かけたついでに新宿・紀伊國屋書店のスポーツコーナーに寄り、「骨盤の回旋」についてヒントを与えてくれる本はないかと物色。一冊買いました。それが『脱・筋力主義 スポーツ上達のコツ』です。

脱・筋力主義スポーツ上達のコツ (SJ sports)

脱・筋力主義スポーツ上達のコツ (SJ sports)

 

 帯(実際は帯ではなく、カバーの下のほうが帯風に印刷されている)の惹句には「重力を味方にすればパフォーマンスはもっとあがる!」とあります。
 脱・筋力主義……昨今の筋トレ重視は疑ってみる価値があると私も思っています。清原みたいに筋肉つけてそのうえ脂肪もつけて、かえって野球ができなくなった例もあります。若手選手は闇雲に身体を大きくする風潮に簡単にのらないほうがいいような……余計なお世話でした。
 身体の重心のラインが、地球の重心のラインと重なるように立つのが、筋力を極力つかわない理想的な立ち方である、ということは、武術家、ヨガのインストラクター、整体師、ロルファー……いろんな人が書いています。私が初めて読んだのは高岡英夫さんの本だったかな。姿勢が悪いと、アウターマッスルに余計な負担がかかりますから。
『脱・筋力主義 スポーツ上達のコツ』は、簡単にいえば、アウターマッスルよりもインナーマッスルに仕事をさせよ、重力を効率的に利用しながら最小限の出力でパフォーマンスを向上させよ、ということでしょう。
 そのためには、股関節あたりの、身体の中心部が重要だと、この本にも書かれています。ランニング(短距離)に関しては、スポーツバイオメカニクス的な知見をとりいれつつ、こう書いてありました。

 機能解剖学的な特徴を考えると、疾走におけるもっとも合理的な脚の動作は、もっとも体幹に近い位置で、大きな筋がまたがる関節──つまり「股関節」によって自然に導かれる動作であると考えることができます。
  (略)

 おもに脚の運動である疾走運動を運動連鎖の観点から見ると、脚における質量の大きな部位、つまり股関節(大腿部)を動員して大きなエネルギーを獲得することで、質量の小さい部分、つまり足関節(足部)が非常に高い速度を獲得することになります。したがって、脚の振り下ろしを股関節から始動させることによって、足部が非常に高い速度を獲得することにつながり、このことが速く走るために重要な要因となります。
 また、ここまで挙げてきた足の動作を、すべて股関節の主導によって行うことが理想的です。言い換えると、股関節の主導によって脚の動作をコントロールすることが、速く走るコツと言えるでしょう。
  (略)

 股関節主導という動作についてより思考を深めていくと、骨盤の存在に行き着きます。股関節とは、大腿骨と骨盤によって構成されています。(略)つまり、速く走るコツは、股関節で脚全体の動きをコントロールし、骨盤で股関節の動きをコントロールすることと言えます。

 ふむふむ。私が最近考えているとおりです。
 体幹、骨盤、股関節、丹田を意識せよ、と言われますが、みんな「はい。こうですね」と即座に理解して実行できるんでしょうか。それはつまり、腸腰筋や骨盤や股関節を正確に絵に描けるか、ということでもあります。丹田は絵に描けそうにないけど。
 少なくとも私はピンと来てなかった。
 1ヶ月半前に「ポイントは骨盤の回旋だ!」と発見したんですが、自分の感覚が正解かどうか自信はありません(だから裏づけてくれる本を探しているのです)。それでも少し「正しいランニング」が近づいた気がするんです。数年間、記録が停滞しているんだもの、しばらくはこれに頼るほかない!

 本書は、股関節伸展筋群至上主義(ハムストリングスなどを鍛えるためにスクワットすることなど)に疑問を呈していて、これには驚きました(112頁)。今後、読み直して検証したいと思っています。

 ジャンプ動作やスキーについても書かれた部分も参考になります。私がスキーでいまいち上達しなかったのは、股関節主導ではなかったからなんだな、と気づきました。
 運動というのは、身体の中心が主なんです。腕だけで投げたり下肢だけで走るのは文字通り「小手先」の動きなんですね。
 チャンスがあれば、もう一回スキーやってみよう。

 ……そのまえに肩を治さなきゃ。