足が抜ける、とは?

 野口みずき選手、名古屋ウィメンズマラソンを最後に引退かもしれない、とのこと。アテネオリンピックで金メダルという輝かしい実績がありながら、その後の競技生活は故障との戦いだったそうです。
 リンクした記事にこうあります。

 不振の原因の一つは「足が抜ける」という長距離トップランナー独特の症状だった。この日のレースでも「5キロで足が抜ける感じになった」と振り返っていた。恩師に引退をすすめられるほどの状態になっても現役にこだわったのは、この症状を克服したいという思いがあった。

 レース後の記者会見で野口は説明した。「足が抜ける状態はマラソン選手や長距離選手に多く、故障というより神経的なものだと思う。自分で何とか直そうと試行錯誤しながらやっていた。悩んでいる人がいっぱいいるので(克服して)悩んでいる人に伝えることができたらと思っていた」

 症状は人によって違いがあり、足に力が入らず自分でコントロールできない感覚や、違和感やしびれを感じる場合も。明確な対処方法もなく引退に追い込まれる場合もあるという。

 野口の場合は11年から症状が出始めた。13年の名古屋ウィメンズでは一度もその感覚が出ず「克服できたかなと思った」と一度は安心した。しかし、14、15年は再びその症状が出て苦しんだ。

 トップアスリートの引き際は難しい。潔く去るのも美しいが、野口はそれを選ばなかった。あえて身を削って伝えたいことがあった。それが大仰なことではなく、練習量の多いランナーが人知れず苦しむ試練だったのが、いかにも野口らしいと思った。

「足が抜ける」と、ときどき耳にするんです。いくら頑張っても元に戻らず、引退してしまう選手も多いのだとか。野口選手もそうだったんですね。イップスという、スポーツ選手が突然見舞われる不調のひとつかもしれません。

「長距離トップランナー独特の症状」とあるのに、なんちゃって市民ランナーが口をはさむのは気が引けるんですが、私、昨年秋から調子が悪くなり、地面にまったく力が伝わらない感覚に陥りました。
最悪なときは、悪夢みたいに、もがいてももがいても進まないというか、1センチ浮かんだ状態で足を漕いでいる感じでした。接地とプッシュのタイミングがずれてしまったのか、着地したさいにバランスが崩れていたのでしょう。ああいう状態が「足が抜ける」なのかな、違うのかな。頭と身体が連絡してないのです。いろんなことを試して、少しは戻りつつあります。

 上記引用には「足に力が入らず自分でコントロールできない感覚や、違和感やしびれを感じる場合も」とあります。「悩んでいる人がいっぱいいる」とも書かれていますが、悩む人がいっぱいいるのに、「足が抜ける」と検索しても情報が驚くほどヒットしないんです。根気よく探せば、筋肉のバランスが崩れた状態、突発的運動機能不全症候群、インナーマッスルの筋力低下……などと説明する人は見つかります。しかしどれが正解なのか、同じ症状に見えて原因は複数あるのか、わかりません。
 以前、足が抜けた状態の選手を撮影した動画を見ました。足を入れ替えて片足立ちになるドリルを行うんですが、片足になった瞬間、バランスが崩れていたようで、路面をまっすぐプッシュできていないのです。私の症状はあんな感じでしょう。道理で、力が地面に伝わらなかった。

 雑誌「スポーツメディスン」2009年2月号に「足が抜ける」ことに関する論文があるようです。残念ながらバックナンバーがなく、近くの図書館にも置いてないようで、目を通していません。入手できたらまた書きます。