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『走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー』…研究しながら走ろう。

 みやすのんき『走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー』を読みました。非常に面白かった。サブタイトルに「運動オンチで85kg 52歳 フルマラソン挑戦記!」とあるとおり、インドア派で太っていて、十字靱帯を断裂していたマンガ家の著者がフルに挑戦、体重を55kgに落としてサブスリーを達成したそうです。

 著者は、少年誌に『冒険してもいい頃』などを連載されていた方です。懐かしい。
しかし、本書はマンガではありません。図解イラストと表はありますが、テキスト主体です。フォームの話、自身の体験談、練習方法の話と、三部構成になっています。股関節の説明とか、マンガ家らしい観察眼も活かされています。

走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー  運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!

走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー 運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!

 

 ちょっと脱線。2時間50分とかで走るランナーと話したり、彼らを観察したりすると、私ごときなんちゃってランナーと大きく違うことがあります。

① 筋肉……あきらかに筋トレをしている体つきです。私は体脂肪率6〜8パーセントですが、彼らは筋肉があるうえで、私より贅肉を削ぎ落としている気がします。
② 準備……大会の会場で、ゆっくり時間をかけ、テーピングをしたりファイテンのマークを貼ったり、補給のジェルを準備したり、ワセリンを塗ったりしています。
③ 知識……たとえばティム・ノックスの大著『ランニング事典』を読み込んでいる人も多く、運動生理学などの知識の量と走力には相関関係があると感じます。

 みやす氏も熱心に研究し、自分なりに工夫されています。私と同じ考えも違う考えもあります。おそらく上級ランナーは体の使い方に関してそれぞれの意識をお持ちでしょう。同じ動きを得るために、まったく違うイメージを持っている人もあろうと思います。だからたくさんの情報を見て取捨選択することが大事。自分に合うか合わないか、試してみる価値は大いにあります。

 本書では、とくにフォームの話が面白かった。
 指導者がよく言う《腰高意識》は間違いで、むしろ《腰低意識》をもとう、というのです。もちろん骨盤後傾はダメで、スクワットをするときのようにお尻を突き出すこと、とあります。
 私はよく姿勢のことを書きますが、着地した瞬間、体が伸びきっているのは間違いだと思います。片足ケンケンすればわかりますが、意識しなくても股関節と膝は自然な角度に曲がり、伸びることで腸腰筋やアキレス腱をバネにできるはずです。私がいま不調なのは股関節の伸展のタイミングがずれているのだと自覚しています。
 その他、参考になることがたくさん書かれていました。脚を戻す意識をもつことはすぐに実践しました。

 著者はジャック・ダニエルズのVDOTを参考にメニューを組み立てているようです。下記サイトに自分の目標タイムや記録を入力すると、練習メニューなどがわかります。

 たとえば、2時間59分でマラソンを走るためのトレーニングは、
 Easyペース = 4:50 - 5:08、
 Marathonペース = 4:15、
 Thresholdペース(閾値ランニング/テンポ走) = 4:00、
 Intervalペース = 3:41、
 Repetition = 3:36、
 と出てきます。詳しく知りたい方は『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』をお読みください。

『走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー』は意欲的にマラソンに取り組み、ご自身でもあれこれ考えているランナーにおすすめです。
 この手の本を読むと、「運動音痴は宣伝文句で、やはり本人に才能があったんだろう」と切り捨てる人がありますが、そんなことないと思いますよ。自戒をこめて書きますが、練習と研究は走力を向上させると信じましょう。

ランニング事典

ランニング事典

 
ダニエルズのランニング・フォーミュラ

ダニエルズのランニング・フォーミュラ

  • 作者: ジャックダニエルズ,Jack Tupper Daniels,篠原美穂,前河洋一
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2012/02
  • メディア: 単行本
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