狩猟採集民のように走ろう!

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二軸走法……『トップアスリートの動きは何が違うのか』

以前、1本の線の上を走るか、2本のレールの上を走るか?というエントリーに書きましたが、私はいま《2本のレールの上》を走るようにフォーム改造中です。

競技選手の動きを科学的に研究するスポーツ・バイオメカニクスでは、脚の運びについてどういうふうに言われているのか調べていると、山田憲政『トップアスリートの動きは何が違うのか』という本に行き当たりました。

野球やハンマー投げなど、いろんな種目の研究が載っていて面白いんですが、ランニングに関する部分だけ見てみます。1986年の、著者ら筑波大学の研究によると……。

ジョグから全力疾走に移行するにしたがい、右(左)肩が前に出たフェーズで左(右)腰が前に出る、という単純なひねりの関係ではなくなっていくそうです。

むしろ、肩が先行して腰にひねりが伝わっていくような、ひねりのムチ的な関係があるように考えられた。(略)じつは、脚より約4分の1周期速くスイングする回転力を発揮して、脚の動きに先行して動きを制御していると考えられたのである》。

スピードをあげるにしたがい、肩と同じ側の腰が追っかけていくため肩と腰のねじれの角度は浅くなり、体幹部をひねらなくなるということらしい。

これらの結果は、当時の主流であった身体を大きくひねって一直線上(略)を走る走法とは相容れないものであ》った。

この研究の結果、身体をあまりひねらない(=肩の回旋に骨盤がおいつこうとするので、結果的に肩と腰の角度があまり開かないという意味だと思います。肩も骨盤も、前方に向かって90度を保っているわけではありません)二軸走法を取り入れ、高野進コーチ指導のもと末續慎吾選手が世界陸上で銅メダルを獲得したのだそうです。このとき末續選手は、ナンバ走法を取り入れたと発言して世間にナンバを広め……私はケムに巻かれました。

この研究にしたがえば、やはり二軸走法に軍配が上がることになります。巻末には、一軸走法で膝を痛めるリスクが高まるとも書かれています。

トップアスリートの動きは何が違うのか―スポーツ科学でわかる一流選手の秘密 (DOJIN選書)

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