狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

課題2=骨盤を立てる、広背筋を鍛える

ランニングは「骨盤を前傾させる」と言われます。2年くらい前まで通っていた治療院の天才整体師は「骨盤は前傾させるのではなく立てるのだ」とおっしゃいました。説明をいろいろ聞いて、彼はおそらく骨盤の前傾を意識しすぎて反り腰になるのをおそれ、それなら肩胛骨あたりを反らせる感覚を持て……と言いたいのだと解釈しています。少なくとも骨盤を後傾させるなという点では同じです。

身体に詳しいべつの方からは、骨盤が後傾気味の私を見て「前傾するくらいの意識でちょうどいい」とおっしゃいました。まだよくわからないのですが、暫定的に私は「骨盤は立てる」と言っています。

そう、私は骨盤が後傾していました。いまでもその傾向はあります。お尻が落ちて重心が後ろにかかるため、膝と首を突き出してバランスを保つことになります。横から見ると、首が突き出て膝が曲がっています。まるで数字の「5」みたいな姿勢です。ガニ股でもありました。

まだ完全とはいえませんが、姿勢をただすように努め、だいぶん「1」に近づいた気がします。身長は1.5cm伸びました。もっとも、今でもレース後の飲み会などの写真を見ると、疲れから姿勢が崩れていますけど。

骨盤を立てるということは、実際は背骨はS字状ですが、体を一本の棒にすること。

鉛筆を垂直に落とすとぽんと跳ねかえります。つまり、ランニング中、地面の反撥を得て推進力に変えるには、体を一本の棒にすればいいということになります。あとは重心を前に置くだけで苦もなく進んでいく……。これができれば苦労はないんですけどね。
 逆に、折れた鉛筆を落とすと、屈曲した部分がますます折れて、はずみません。姿勢が崩れている場合、路面からの衝撃は、曲がっている部分に集まり、ケガのもとにもなってしまう。今のところ、これが私の理解です。

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ならば、骨盤の傾きの改善のため具体的にどうしたらいいか。

私は以前、腸骨筋(腸腰筋と大腰筋)、大腿直筋、大腿筋膜張筋など、つまり前の筋肉を意識することで骨盤を前傾させるイメージを持っていました。ドローインの状態も骨盤が前傾すると思いますが、あれも前の筋肉を意識しろと書いてあるにちがいない。

ところが最近、脊柱起立筋や広背筋など、後ろの筋肉も同じように重要なんじゃないかと思います。骨盤の後傾にかかわる筋肉はハムや大臀筋ですから、ランによりそちらの筋肉が発達すると、骨盤が上げにくいということもあるかもしれません。それに対抗して、脊柱起立筋や広背筋を鍛えたほうがいいのではないか……?

筋トレというと、まず浮かぶのが腹筋や大胸筋など見てくれにかかわる前側の筋肉ですが、私は今、背中全体の筋肉を意識するようにしています。

近い将来、広背筋ブームが来るんじゃないかと予想していました。まあ、私の素人考えを述べても説得力がない。ちょうど私の考えを補強してくれそうな本を見つけたので2冊挙げておきます。

中島輝彦『動ける体を一瞬で手に入れる本』(青春出版社/2013年10月刊)はなかなかユニークなストレッチ&筋トレの本で、私もここにある3つのメソッド(ロコムーブ・メソッド)を思い出しては実践しています。

著者は、骨盤の後ろ側を引き下げようとするのはハムストリングだと言います。だから広背筋の活動をオンにすることで、ハムストリングスの活動をオフにしますとのこと。骨盤だけで姿勢を調整しようとすると、腰を反らせすぎたり、不必要に腰をひねったりすることで痛みが出てしまう方も少なくありません。(略)広背筋の適正な活動を引き起こす結果として、自動的に骨盤を理想的な位置に配置しますともありました。広背筋をオンにすると、僧帽筋がオフになり、肩こりもなくなるんだとか。さらに、ふくらはぎ、ハム、大臀筋、腸腰筋のブームの次は、人体で唯一、上肢と下肢を直接結ぶ広背筋が注目されるのではないか……ほらほら!

もう1冊。

細野史晃『マラソンは上半身が9割』(東邦出版)です。「なになにが9割」というタイトルは嫌いなんです。9割と断言しているけど科学的・客観的根拠はまず書かれていない。大袈裟な言葉でアイキャッチ効果を狙っているんですね。……まあタイトルには目をつむりましょう。内容は面白かった。

広背筋のところを引用します。

走りのさまざまな動作において、そのなかでも注目すべき筋肉が「腹筋」と「背筋」です。特に腹筋は腹斜筋群が、背筋は広背筋が大切になってきます》《そして広背筋は、身体のなかでもっとも面積の広い筋肉であり、質量も大きい。さらに広背筋の骨盤での付着部はお尻の大臀筋と連動しており、広背筋が収縮すると同時に大臀筋も収縮します。つまり広背筋の動きは下半身と連動しており、それが出力として大きく影響を与えます

とのこと。

わたくし、広背筋に関してはいまはジムでラットプルダウン(懸垂運動)をやっているだけですが、もう少し工夫して、家でもできるようにしたいと考えています。『動ける身体……』のロコムーブを重り使ってやるような手もあるのかな。