狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『ホモ・ルーデンス』2/2

ホモ・ルーデンス (中公文庫プレミアム) 作者:ホイジンガ 中央公論新社 Amazon 以前、少年野球を観ながら、ふとこんな疑問が湧いたと書きました。 メジャーリーグやプロ野球に負けず劣らず、素人野球の観戦が楽しいのはなぜか? 大リーグはムキムキの男性た…

『ホモ・ルーデンス』1/2

ホモ・ルーデンス (中公文庫プレミアム) 作者:ホイジンガ 中央公論新社 Amazon 読んでおかねばと、ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』(中公文庫)を通読。ホイジンガ(1872〜1945)はオランダの歴史家です。1938年に発表されたこの本では、人類はホモ…

J・S・ミル『自由論』

自由論 (光文社古典新訳文庫) 作者:ジョン・スチュアート ミル 光文社 Amazon J・S・ミル『自由論』(1859)を再読する気になったのは、この本に照らして日本がどのくらい酷いかを確認するためでした。今回は光文社古典新訳文庫を読みました。 内容をひと…

栗原康『はたらかないで、たらふく食べたい』

はたらかないで、たらふく食べたい 増補版 ――「生の負債」からの解放宣言 (ちくま文庫) 作者:栗原康 筑摩書房 Amazon 1ヶ月ほど前、NHKラジオの高橋源一郎「飛ぶ教室」に栗原康がゲスト出演しました。栗原氏も(高橋氏もですが)私と同じタイプだとすぐにわ…

田中圭太郎『ルポ 大学崩壊』

ルポ 大学崩壊 (ちくま新書) 作者:田中圭太郎 筑摩書房 Amazon しばらく前のこと。 外出先でビール飲みながら、買ったばかりの田中圭太郎『ルポ 大学崩壊』(ちくま新書)を読み始めたらクラクラしました。小泉政権、安倍政権下で、大学の腐敗がここまで進ん…

『その農地、私が買います』

その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱 作者:高橋久美子 ミシマ社 Amazon 高橋久美子『その農地、私が買います』(ミシマ社)を通読。著者がなにかのラジオに出演されていたので知っていました。父親が売って太陽光パネルに覆われることになった愛媛…

『緑の哲学』

緑の哲学 農業革命論: 自然農法 一反百姓のすすめ 作者:福岡正信 春秋社 Amazon 服部文祥『お金に頼らず生きたい君へ』に、福岡正信『緑の哲学』が出てきたので、積ン読本からを見つけて読みました。 冒頭から面白い。 脱学校や脱道路を唱えたイリイチ(イリ…

服部文祥『お金に頼らず行きたい君へ』

お金に頼らず 生きたい君へ: 廃村「自力」生活記 (14歳の世渡り術) 作者:服部 文祥 河出書房新社 Amazon 1ヶ月ほど前に、服部文祥『お金に頼らず生きたい君へ』(河出書房新社)を読みました。 限界集落の廃屋と3000坪の土地を20万円で購入し(固定資産税は…

放送法の問題。メモ。

全然更新していません。WBCはほとんど見ず、参議院予算委員会見て、本読んで、軽いジョギングして……です。今日からしばらく1日1投稿いたします。 ★ ★ ★ ひとまず、放送法のことをメモっておきましょう。 3月7日、立憲民主党・小西洋之議員が、総務省から…

コロナ第9波は?

確定申告も例年のように最終日に終わりました。花見じゃ、花見じゃ。 マスクを外していいだのなんだの、喧しい昨今。コロナ第8波はおさまったと見ていいと思いますが、次の波は来るのでしょうか。たしか医師の倉持仁さんは、「コロナは春・夏・冬にはやる季…

東京マラソン応援と藤井聡太

奇跡的に8時半に目が覚めたので外出。東京マラソンの応援です。アプリで友人数人の位置を確認し、まずは秋葉原(写真)で応援しようとしたんですが、残念ながら友人が見つからず……。総武線に乗って両国へ行きました。こちらは2車線なので、見つけやすい。…

人材ぎらい……『学びの本質を解きほぐす』2

学びの本質を解きほぐす 作者:池田 賢市 新泉社 Amazon 「人材」「人的資本」「生産性」なんて単語を苦々しく見ていましたが、先史社会のことを考えるうち嫌悪感が増しました。現代人は人格全てが資本主義に取りこまれているみたいです。人間は材料でも資本…

『学びの本質を解きほぐす』1

学びの本質を解きほぐす 作者:池田 賢市 新泉社 Amazon 私はただいま57歳。微分積分とか三角関数とか、仕事上不必要なこともあり、私はいまだに理解していません。数学は崇高な学問と認識していますが、高校の数学を「ちゃんとやっておけばよかった」と後悔…

将基面貴巳『反「暴君」の思想史』と神宮外苑

反「暴君」の思想史 (平凡社新書) 作者:将基面 貴巳 平凡社 Amazon 先日書いた将基面貴巳『従順さのどこがいけないのか』(ちくまプリマー新書、2022刊)は、『反「暴君」の思想史』(平凡社新書、2002)を若い人向けに書いた本だとあったので、しばらく前に…

お辞儀走2

最近、ネットで「ウマ娘」なる広告がチラチラ出てくるんです。アニメではなくゲームなのかな。おそらく、馬を女の子に擬人化しているんでしょう。それとも、騎手が馬に乗りうつったのか。人馬一体。 以前も書きましたが、こうやって上半身を前に倒して走るこ…

『日本の私立大学はなぜ生き残るのか』

日本の私立大学はなぜ生き残るのか-人口減少社会と同族経営:1992-2030 (中公選書) 作者:ジェレミー・ブレーデン,ロジャー・グッドマン 中央公論新社 Amazon 私が広島で浪人していた1980年代半ば、予備校の英語講師がこう言いました。 「数年後、◎◎市に私立大…

憲法第24条解釈のミスリード

今月10日の自民・世耕弘成議員の発言(→NHK)です。 (略)憲法24条の「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」という規定と同性婚の関係をめぐっては「今の憲法を読むかぎり、同性婚は認めていないのではないか」 世耕氏のみならず、自民党議員ならびに…

性的マイノリティの差別発言について

ちょっと仕事が忙しく、読んだり考えたりしていることをアウトプットできない日々。ただ、以下のことはメモ代わりに書いておきます。 ★ ★ ★ 一週間前の話。夜中、TBSラジオ「アシタノカレッジ」を聴きながら走っていると、澤田大樹記者がすごいニュースが飛…

島田雅彦『パンとサーカス』

パンとサーカス 作者:島田雅彦 講談社 Amazon 島田雅彦『パンとサーカス』読了。550ページの長編エンタテイメント小説でした。作品に書かれたテロリズムが安倍晋三元首相の銃殺を連想させるのか、事件後、よく読まれているらしい。 パンとサーカスとは、2世…

映画『テレビで会えない芸人』と余談

日本映画専門チャンネルで『テレビで会えない芸人』を録画して、少し前に見ました。松元ヒロを追ったドキュメントです。2月に、もう一度再放送があるそうです。(→日本映画専門チャンネル)。私は『松元ヒロの世界』を見なくちゃ。 松元ヒロは以前ザ・ニュ…

『従順さのどこがいけないのか』

従順さのどこがいけないのか (ちくまプリマー新書) 作者:将基面 貴巳 筑摩書房 Amazon 狩猟採集生活を知って驚いたことの一つは階級がないということです。リーダーさえいません。親も息子や娘に向かって「大人に従え」とは言いませんし、体罰もないようです…

『コン・ティキ号探検記』

コン・ティキ号探検記 (河出文庫) 作者:トール・ヘイエルダール 河出書房新社 Amazon 島泰三『魚食の人類史』で、簡単に魚が獲れる例としての話が出て来たので、ヘイエルダール『コン・ティキ号探検記』(河出文庫)を読みました。その昔、子ども向けの本を…

『魚食の人類史』

魚食の人類史: 出アフリカから日本列島へ (NHK BOOKS) 作者:泰三, 島 NHK出版 Amazon 島泰三『魚食の人類史』(NHKブックス)は、霊長類としての人間のニッチ(他種と競合しない食べ物)は魚であるということを前提に、人類史を俯瞰する一冊でした。島氏はサ…

放送大学や王将戦の話

終わった〜! 放送大学『フィールドワークと民族誌』全15回の講義動画を視聴して各回の小テストを終え、勢いにのって2本のレポート(どちらもたった400字ですけど)を提出したのです。11日の〆切に間に合いました。小テストは計45問。1問間違えました。問…

新年の一句

富士の影背負いて駄馬往く三日かな 毎年、同じような写真を載せています。2日からトボトボジョギングし、3日に富士山が見えました。この日、富士のてっぺんに太陽が沈む、いわゆるダイヤモンド富士は多摩川の7、8キロ上流ですが、この地点では、中腹から…

『ぼくは猟師になった』

ぼくは猟師になった (新潮文庫) 作者:千松 信也 新潮社 Amazon 私もいずれ罠猟をしながら生活できないかと夢想しています。 千松信也『ぼくは猟師になった』(新潮文庫)を読みました。著者がどうやって罠猟を始めたのか、どんなふうに猟をしているのか、が…

いつもの年末年始です

放送大学の課題をボチボチこなしながら年の瀬を迎えました。あとは、お決まりの年末年始。 例年、大晦日は妻の実家に行きます。テレビでは紅白歌合戦が流れていますが、飲み食いやおしゃべりに忙しく誰も見ていません。妻は、三山ひろしの剣玉チャレンジも最…

『ギフトエコノミー』

ギフトエコノミー ―買わない暮らしのつくり方― 作者:リーズル・クラーク,レベッカ・ロックフェラー 青土社 Amazon たった100〜200年の間に、産業主義・資本主義は指数関数的な人口爆発を生み、過去にないスピードで環境を破壊してきました。労働者や貧しい国…

『大衆の反逆』

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫) 作者:オルテガ・イ ガセット 筑摩書房 Amazon 大衆の反逆 (岩波文庫) 作者:オルテガ イ ガセット 岩波書店 Amazon 読まなきゃ読まなきゃ、と思っていたオルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』を一週間ほど前に読了しました。オル…

『エルピス』

社会派エンタメだと話題だったドラマ『エルピス─希望、あるいは災い─』(カンテレ制作、全10回)を観ました。テレビをあまり観ない私が、久々の連続ドラマ視聴。疲れました。 テレビが政府広報になっていたり、忖度したりするテレビ報道の腰抜けぶりを批判し…