狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

世陸・女子マラソン、W杯ラグビー、世陸・100m準決勝。

世界陸上ドーハ大会・女子マラソンの結果を朝、確認しました。

チェプンゲティッチ選手(ケニア)が優勝。2:32:43だそうです。日本人選手は、谷本観月が2:39:09で7位入賞。中野円花が11位、池満綾乃は途中棄権でした。

タイムを見て、条件が厳しかったことがわかります。マラソンと50キロ競歩は中止にせよという声が上がるくらい心配されていたほど暑いらしいのです。現地の23時59分のスタート時、気温が32.2度、湿度73.3%だったとあります。参加者68人のうち28人が途中棄権となりました。(→デイリー「酷暑の世陸マラソン 史上最遅記録に4割途中棄権 コーチも「2度と走らせたくない」

ああ、でも、しかし……この日のレースは、日差しがなかったぶん来年の東京オリンピックよりマシだったのかもしれません。来夏がますます気がかりです。もはや返上できんのかのう。

六大学ラグビー華やかなりしころに大学時代を過ごした私は、直接スタジアムで観戦したことはないものの、ルールはおおむね把握しています。

ワールドカップ日本大会では、日本代表がアイルランド代表と試合をしています。

6対12から見はじめましたが、いやいや、世界ランク2位のアイルランドチームと対等に張り合っているではありませんか。後半に入ると逆転し、最終的に19対12で勝ってしまいました。ボールを持った選手を必ず2、3人でタックルにいき、封じていたのが素晴らしい。チーム一丸となってよく動き、強敵を倒しました。

じつは、本日、ラグビーのチケットを持っている友人がいて、一緒に静岡に行こうと誘ってくれていたんです。

私は府中に住んでいて、たまにリーチ・マイケルら選手とすれ違いますが、ふだんはあまりラグビーを見ません。長年のファンを誘ってあげてくれと断りました。その判断に後悔はありません。

世界陸上の男子100メートル準決勝。

予選を突破した、サニブラウン・ハキーム、小池祐貴、桐生祥秀各選手が、それぞれ準決勝1、2、3組を走りました。予選の走りからしていちばん可能性があるのはサニブラウン・ハキームだよね、と見ていたら、な、なんと、スタートで明らかに出遅れます。小池祐貴は……スタートで身体が浮き上がるミス。

がんばれ桐生祥秀! お、序盤リード! でも中盤から落ちてしまう。

とくにサニブラウンは残念。普通のスタートができれば確実に決勝進出でした。

私はなんの大会でも、日本人選手が出ていれば応援しますが、どうしても勝ってほしいとまでは思っていません。私にとってスポーツ観戦は「身体の使い方」の情報を集めることでもあるからです。ラグビーの選手の骨盤の動きや、100m走の選手のフォームや筋肉のつきかたわ観察しています。

トントン。

大学のころはたまにパチンコを打ちました。なんとなくパチンコ屋に入り、玉がどんどん器械に吸い込まれて焦ります。ある時点を境にツキが回ってきて何箱か床に積み上がり、お大尽気分。そこでやめときゃいいのに「もう少しだけ」と欲が出る。続けるうちにみるみる玉が減っていき……。

結局、プラマイゼロ。

パチンコ屋を出ると、あたりはもう薄暗い。私はパチンコ屋の騒音の残響に悩まされながらこう思うのです。「何時間もパチンコ打ってトントンなんて、負けるより悪い。単なる時間の空費じゃないか。本でも読んでりゃよかった」

……そんな気分を思い出させる今期のカープ。

負けまくり勝ちまくり負けまくり、で終わってみれば70勝70敗3分。

机のうえで起きた偶然

f:id:mugibatake40ro:20190926143756j:plain

ボランティアで千葉に行ったとき、バッグに本を入れ忘れたんです。西千葉駅の書店で『すばらしい新世界』新訳を買って読みました。ディストピアの古典です。別の訳で読んだときも感じましたが、世評ほど面白いとは思いません。新世界の、多様性のない階層社会は現代社会を戯画化したようなものだし、対置される一神教社会もあまり好ましく感じないせいかなあ。

なにかの本に、生物学者ジュリアン・ハクスリーが「進歩の四段階説」を唱えたと書かれていました。ネットで調べてもわかりません。古本屋でたまたま見つけて『進化とはなにか』を買ったのです。ただ、残念ながらこの本には「進歩の四段階説」については書かれていなかった。

きのう、国連気候行動サミットで環境問題を訴えたスウェーデン生まれのグレタ・トゥーンベリがバッシングされているニュースを読みました。

誰かに利用されているとか、学校に行けとか……大きなお世話です。

アメリカや日本の社会では、子供を独立した人間と見ず、意見表明するを嫌うのかもしれません。でも、彼女がどうしてこのように振る舞うのかは、『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』などを読めばわかります。グレタは少なくともきちんと自立した、賢い人格です。

環境問題に関していえば、1960年代に公刊されたレイチェル・カーソン『沈黙の春』は世界で広く読まれました。地球温暖化対策についても『不都合な真実』でアル・ゴアはノーベル平和賞を取っていて、グレタのオリジナルではないのです。どうして、少女の社会活動家だけが矢面に立たされるのでしょうか。

ふと思い出し、『進化とはなにか』を書棚から取り出して拾い読みしました。

……そういった事情で、『すばらしい新世界』と『進化とはなにか』が机のうえで無造作に重なっていました。さきほど、『すばらしい新世界』の「訳者あとがき」を読んでなかったな、と大森望の文章を読んでびっくり! 作者オルダス・ハクスリーの兄はジュリアン・ハクスリーなのです。

はからずも、私の机のうえに兄弟の本が重なっていたのでした。ふたりのおじいさんは有名な生物学者、おとうさんは出版人だったそうです。

すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

 
沈黙の春 (新潮文庫)

沈黙の春 (新潮文庫)

 
スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか

スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか

  • 作者: ヨーランスバネリッド,G¨oran Svanelid,鈴木賢志,明治大学国際日本学部鈴木ゼミ
  • 出版社/メーカー: 新評論
  • 発売日: 2016/12/09
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
 

ボランティア

f:id:mugibatake40ro:20190922233918j:plain

 

21日土曜日。千葉の台風被害から十数日、館山市に行ってきました。県外者のボランティアを受け容れている自治体が案外少ないのです。

少し余裕を持って東京駅へ。7時40分の高速バスで館山駅に向かいます。アクアラインから千葉に入ると、ブルーシートを張った屋根が見えてきます。ビニールハウスは軒並みやられていました。到着は9時20分くらい。うちからは4時間近くかかりました。

受付に歩いて行く道すがら、「一緒に作業しませんか」と大学生に声をかけられ、一緒のグループに入りました。男性ばかり総勢6名(東京からやってきたのは、そのうち5人)でチームを組み、あるお宅の庭を掃除しました。

チェーンソーの免許を持つ人が頑張り、ほかのメンバーは木材を運んだり、崩れた鉄骨を解体したり。住民の方がすごく喜んでくださいました。

私が見聞きした範囲では、インフラもある程度確保され、停電も断水もそれほどなさそうでした。でも、個別には困ったことが多そうです。瓦屋根が多くてブルーシートも目立ち、立て看板の多くは倒れ、ピニースハウスは裸になっていました。傾いている木も多い。専門業者にしかできないことも多々あると思われます。早く復旧しますように。

ちと疲れたので千葉市の安宿(カプセルホテル)を予約し、1時間に1本のローカル線に乗ってあたりを観察。千葉まで2時間近くかかるんですね〜。トレランで有名な鋸山のある鋸南地区とかは台風被害が大きそうです。

別の場所で作業していた中学高校時代の友人Yとバッタリ。彼は千葉県民です。千葉駅近くのチェーン居酒屋でおつかれさまの会。「千葉のためにボランティアありがとう」といっておごってくれようとします。Yは広島県出身、現在は実家は京都、千葉に住んで30年余年。そんなに千葉県を愛しているとは知らなかったわ。払う・払わなくていい、のやりとりをしましたが、結局ご馳走になりました。

災害ボランティアでは写真を撮らないルールなのですが、道ばた(山道)の写真を。これならきっと問題ないでしょう。

映画『北の果ての小さな村で』

映画『北の果ての小さな村で』を観てきました。

旧デンマーク領であったグリーンランドは、現在、デンマーク王国のなかの地域のひとつであり、自治政府があるようです。

主人公である青年アンタセースは、デンマークからグリーンランドの小さな村に赴き、教師をすることになります。そこはイヌイットが暮らす小さな村でした。彼はデンマーク語だけで授業をするように命じられましたが、10人の小学生たちは授業に集中せず、グリーンランド語で話します。

アサーという生徒が出席しない日が続きました。彼の家を訪問すると、祖父とともに犬ぞり猟に行っていたと判明します。学校の大切さを説くアンダースに対し、祖母はこう言い返すのでした。

必要なことはすべて爺さんが教えるわ

先住民を制したヨーロッパ人は、彼らの宗教・言語・生活様式・思考法などを自分たちのマインドセットに嵌め込もうとします(映画に出てくる村もキリスト教が浸透しているようです)。その背後に、西洋の文明や文化が優れているという前提があるのは明らかです。ネクタイ締めて毎日会社に行くのが普通で、数日間トナカイ猟に行く生活は野蛮にしか見えないのでしょう。子どもは学校で言葉や算数を学ぶのが当たり前。しかし、イヌイットにとって学習とは、狩猟の知識を得ることなのです。

10人の子どものうち8人が祖父母と同居し、父母と暮らしていないことを変だと感じたアンタセースは村人にその理由を訊きました。すると、祖父母と子どもが養子縁組をすることはこちらではよくあることだ、とぴしゃりと言われるのです。西洋風な固定観念を持ち込もうとするアンタセースは、村人からまったく受け容れられません。

伝統的社会と文明社会、グリーンランド語とデンマーク語、狩猟と農耕(主人公は7代続く農家の出身)、中央と周縁などの対立が映画には隠れています。主人公はいままでと正反対の世界に置かれ、多様性を認めるかどうかの選択に迫られます。学校ってなんだろう、とまた考えてしまいます。

この映画、説明が過剰でないところは好ましい。少し舌たらずにも感じましたけど。付け足しみたいな恋愛エピソードがないところは好印象でした。自然の映像が素晴らしいので、大画面で観るのがいいかもしれません。

MGC

スタート時は夢のなかでしたが、起き上がってテレビを点け、MGCを観ました。テレビを2画面にする機能を使って、TBSで男子マラソン、NHKで女子マラソンを。

男子は、ひとり飛び出した設楽悠太選手を上り坂で2位集団がとらえました。中村匠吾選手が終盤素晴らしい仕掛けを見せ、1位に。中村を追ったのは、服部勇馬選手と大迫傑選手。大迫は確実に2位狙いにいかず果敢に中村を猛追したのが災いしたか(とはいえ、大迫らしい)3位、大迫を抜いた服部が大迫を抜き、2位でした。優勝タイムは2時間11分28秒。

女子は、前田穂南選手が仕掛け、差を広げ、暑さのなか2時間25分15秒で優勝。鈴木亜由子選手が手堅く2位かと思いましたが、小原怜子選手がどんどん差を詰めます。結果、4秒差で2位・鈴木、3位・小原。松田瑞生選手は4位でした。選手の表情を見ても消耗ぶりがよくわかります。

とくに男子はナイキズームXヴェイパーフライネクスト%だらけでしたね。足もとがピンクピンクピンク……。男子は1〜3位が、女子は2位・鈴木がナイキでした。もしこのシューズで何分かタイムが縮むのだとしたら、アシックスを履いていた小原と鈴木の4秒差はシューズの差……?

3位の大迫、小原選手は即決定ではありません。

男子は福岡・東京・びわ湖、女子はさいたま国際、大阪国際、名古屋ウィメンズの3大会で設定記録を上回った選手がいた場合、そのうちいちばんいいタイムの選手がオリンピックに選出されます(ただし、過去のMGC選考レースで完走していることが条件)。

逆転できる設定記録は男子2時間05分49秒、女子2時間22分22秒。どちらも現役選手の最高記録を上回ります。男子は日本記録です。

オリンピックを狙う選手は、男子の場合、記録がでやすい東京マラソンで勝負するのが得策でしょう。日本記録を上回るペースで突っ込む選手が出てくるはずです。

女子は日本歴代記録9位(松田瑞生の2:22:23)以上なので男子よりは可能性がありそうです。さいたま国際は坂だらけの難条件なのでオリンピックを狙う選手はまず出ません。大阪国際の結果を睨みつつ、多くの選手は名古屋ウィメンズで勝負するような気がします。

東京オリンピックのマラソンは盛夏で、レースできる環境ではありません。選手が気の毒でしかたない。私はスピードのある選手をマラソンでも応援したいので、たとえば松田瑞生選手にも活躍してほしいんですけど、オリンピックにはトラックで出てもらいたくもあります。

短距離練習会その他

前夜、東京ドームでカープの無惨な敗戦を見ました。今シーズンはもはやこれまで。試合終了後に友人たちとガブガブ飲んで帰宅し、朝起きて……ええっと……今日はなにか予定があったよなあ……なんだっけなあ……ああっ、短距離練習会だ! フラつきつつ、自販機を見つけては水を買ってゴクゴク胃の腑に流し込み練習会場へ。

いろいろ教わりました。

離地を少し遅らせることと、骨盤をもっと大きく使うことを指示されました。次の練習会までに骨盤の動きを集中的に見直します。全力で走ったのは80m1本くらいだけど、それでもお尻やハムストリングにかなりダメージがあります。

帰宅途中、スーパー銭湯に寄って汗を流し、軽くサウナ。鏡で自分の裸を見ると、マラソン体型から徐々に短距離風の体つきになっていっているようです。腕を広げたときに脇の下から覗く広背筋が大きくなっています。

食事処に入り、おつまみとビールを注文。本気でマラソンやってたころは30kmくらい走らないとビールのご褒美はありえなかったのに、いまじゃ短距離数本でこれですわ。

食事処に接地された大きなモニタで、MGC女子に関する番組を眺めました。NHKの特番らしい。増田明美、有森裕子、高橋尚子、野口みずきらも出ています。音量がしぼってあるので聞こえませんが、全体にわいわい楽しそう。MGCをエンタメ化しようとしているらしい。あした真剣勝負して、酷暑のマラソンに臨む選手たちのレースと、画面のお祭り騒ぎがなんだか不釣り合いです。番組が終わると「夜も同じような特番やります」みたいな宣伝が出ました。練習を積んで、真剣にレースに挑む選手を愚弄しているように感じられます。モヤモヤしながら銭湯をあとにしたのでした。

男子マラソンの情報がないのが不思議でしたが、そちらはTBSが放映するそうです。