狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

いつもこの日は……12月24日の日記。

 水曜日(21日)にぶつけてしまった太腿前面は、アザにこそなってないけど、案外痛みました。2日間休み、天皇誕生日でお休みだった金曜日夕方に走り始めたものの、着地のたびに大腿四頭筋が痛みます。平坦な道しか走れず、ジョグペースで20km。

 翌土曜日は、17時スタート。
 ぶつけた箇所よりも、やや内側の膝寄りに痛みが移動した感じです。少しは恢復している気がします。平坦なところは飽き飽きしたので、7キロくらいから緩い坂道を昇って降りてきました。
 約2時間、18km走ったんですが、すれちがったのは学生らしき男性2人だけ。歩く人も少ないんです。「みんな昼間に運動を終わらせたのかなあ。それとも世間に何かあったんかなあ?」と不思議です。しばらく考えたあと、クリスマスイブに思いいたって納得しました。例年、この日はランナーが少ないんです。
 数年前のクリスマスイブ、すれ違ったランナーは1人だけでした。それが若い美ジョガーでして。互いに視線を交わすことなくすれ違ったんですが、見知らぬ女性と秘密を分かち合った気がした……ということにしたのでした。

 クリスマスイブといったら、キリスト教徒でないかぎり、「子供がケーキ食べてプレゼントをもらう日」だから、うちとは関係ありません。
 帰宅後、妻に「夕飯はなに?」と言うと、「水餃子よ」と返します。
 食後少し仕事して、焼酎のお湯割りをすすりましたとさ。

痛てて。……12月21日の日記。

 昨晩のこと。多摩川沿いをジョギングしていました。19時くらいでも、冬至の1日前だから真っ暗です。見慣れないイルミネーションが目につきました。近づいて見てみようと方向転換したら、

 ガツン!

 右腿前面に衝撃。しばらく悶絶しました。
 木の手すりの端っこに右腿前面をぶつけていました。
 暗がりにまぎれてよく見えなかったんですね。
 そこから2キロほどゆっくり走ってみたところ、右足を接地するたびに衝撃が走ります。大腿四頭筋が衝撃を吸収してくれるということはようくわかりました。
 方向転換するときスピードを緩めたので、歩くようなスピードだったんです。「あの速度での打撲なんだもの、すぐに治まるだろ」とタカをくくり、いちおうアイシングと湿布で対処しましたが、1日経っても痛みは引きません。
 しばらくジョグだなあ。
 みなさんも暗がりランにはお気をつけくださいまし。

『日本のマラソンはなぜダメになったのか』感想

歴代のフルマラソン日本最高記録保持者である(以下敬称略)宗茂、瀬古利彦、中山竹通、児玉泰介、犬伏孝行、藤田敦史、高岡寿成のインタビュー集です。

ひとりにつき一章割いて、当時の練習法、現在のマラソン界への提言が披露されます。お風呂のお伴に、1日1人か2人ずつ読みました。

私は駅伝を重視しているかぎり日本のマラソンの将来は暗いと思っています。日本の中長距離界はガラパゴス化していて、その最たる証拠が「日本人1位」なる単語でありましょう。マラソン中継でも、私は後方で駆け引きする日本人よりアフリカ系のランナーに注目しています。

そんな私でも、過去、日本最高記録を叩き出したランナーの考え方を読むのはやはりとても面白かった。

1965年生まれの私が子供のころ、世界に伍する選手だとワクワクさせてくれた3大アスリートは王貞治、具志堅用高、そして瀬古利彦でした(次点は縄跳びの鈴木勝己かな)。瀬古選手のレースは面白かった。宗兄弟やイカンガーにぴったりくっついて、トラックに入ってから見せるラストスパート! じつにテレビ向きな勝ち方でした。

宗兄弟や瀬古に翳りが見えはじめたころ、中山竹通という傑出したスピードを誇る選手が現れます。1985年のワールドカップマラソン広島大会で、中山選手は2:08:15(当時の日本最高記録)の2位になりました。私はたまたまレースを沿道で応援していました。

その後、何度か記録が塗り替えられ、2002年に高岡寿成選手が2:06:16をマークしましたが、その記録がいまだに破られないばかりか、2時間6分台の選手すら出ていないのはみなさんご承知のとおりです。アフリカ勢はどんどん記録を伸ばしていますが……。

日本マラソンの練習法は、宗兄弟や瀬古が確立した基本を軸に、後続の選手が練習の意味を考え抜き、自分の個性を伸ばすため工夫を重ねたとわかります。中山をのぞく6人の練習メニューが公開されていますが、月間距離も内容もすさまじい。ハイペースの40キロ走が当たり前だったことにも驚きました。彼らは人一倍練習し、失敗を糧にして記録を樹ち立てたのです。

悲しいかな、それら練習法の伝統は途絶えてしまったようです。たしかに非科学的な根性論にも見えるんですよね。しかし正しい科学的トレーニングに最大公約数的な正解もがあるわけじゃないんです。ケニアのカレンジン族は宗や瀬古ほど走り込んでないかもしれませんが、彼らが科学に基づくトレーニングをしているとも聞きません。

現在の選手は、月間1,000km走るような練習を古いと考え、自主的に工夫することもなく監督のメニュー通りにやるだけだ、マラソンの練習をやってケガするより正月に駅伝に出ていればいいと思っている、ペースメーカーにしたがって自分でレースをつくらない、アフリカ勢に負けると端から決めているから追わずに「日本人何位」を気にする……など、手厳しいことがいろんな元ランナーの口から発せられます。

何度か名前が出てきた川内優輝選手は、彼らより練習量は劣るかもしれませんが、自分で工夫して泥臭く努力する、ある意味昭和っぽいランナーです。往年の選手の40キロペース走が、彼の場合、レースなのかもしれません。防府読売マラソン、ガンバレ!

登場する7人の歴代日本最高記録保持者のうち、箱根駅伝を走ったのは瀬古(早稲田)と藤田(駒澤)だけ。その2人も学生時代にフルマラソンを経験しています。高岡は龍谷大に進学して中距離を走り、あとの4人は高卒で実業団入りしているから、全員、箱根駅伝至上主義とは違うかもしれません。

われわれ市民ランナーはトップ争いや日本記録更新なんて無縁でしょうが、目標タイムや昨日の自分、特定のライバル(←私にはないけど)と競っています。この本には参考になることも見いだせるはずです。

私の場合、たとえば、

(略)他人がやらないことをしなければいけないと思います。それをやらなければ勝てるはずはない。私の場合は「ケニア人は自転車に乗っていないから俺も歩こう」と思ってずっと歩いていました。それを若い選手に何度言ってもわからないんです。
(第二章 瀬古利彦)

同じチームに5000mを13分26秒78で走ってハーフマラソンも1時間01分36秒の記録を持っていた年下の選手がいて、ポイント練習では太刀打ちできないくらいでした。でも彼は歩く時、腰が落ちた遅い歩きをしていたので、「そこを直さないからマメができて、2時間10分を切られへんのや。歩くときはキチンと歩け」とよくスタッフから注意されていましたし、私もしていました。彼はそれを理解しようとしなかったので(略)結局ベストは3回目のレースで出した2時間10分07秒に留まりました。体力もあるのでつなぎのジョグも練習内容もすごかったのですが、本人はそれで十分だと考えて走っていたのだと思います。
(第五章 犬伏孝行)

などなど。 

私ももう少し工夫して頑張ります。

今日のあれこれ……12月17日の日記。

 某練習会のペースメーカーをやってきました。
 朝、7kmゆるジョグして会場へ。おとといの練習会のダメージが残っていて、かなり不安です。6:30/kmでしか走れなかった昨夜よりは少しマシですけど。
 1,000m(R=400m)× 5本のインターバルで、私は、4:20〜25/kmの組を先導することに。10人以上のグループでしたか。「走れなかったらすみません」と冗談(半分本気)を飛ばしてからスタートしました。
 200mおきに距離表示の看板があるので、そこを52〜53秒で通過すればいいんですけど、00:53の次が01:46で、ええっとその次が……うひゃあ、寝不足で頭が働かない。
 GPSウォッチ・ガーミンのLAPペースを見ながら走りましたが、誤差が生じるのと遅れちゃいかんという気持ちがあるようで、最初の2本は4:15 - 4:15。みなさんすみません。その後は調整して、4:23 - 4:23。ふう、なんとかまとまった。
 ラスト1,000mはフリーでどうぞと言うと、みなさん前に出ます。私はラスト200mだけダッシュして4:09でした。お尻とハムが悲鳴を上げましたが、無事終わりました。ほとんどみんな走れたんじゃないかな。
       ☆
 以下、ハプニングふたつ。
《その1》あったかいので直前にロングパンツを脱いで短パンになりました。しかし短パンの紐がゆるんでいたらしい。スタート直後からずり落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしました。1本目が終わったリカバリーできゅっと結んでことなきを得ました。指がかじかむような気温じゃなくてラッキーでした。ファインプレー。
《その2》途中、隣のグラウンドから軟式の野球ボールが飛び込み、私の胸元をかすめました。ハッとして左手で捕ろうとするも、失敗。さいわい誰にも当たらず、ボールは消えていきました。凡プレー。

練習会でレペ……12月15日の日記。

本日、ちょっと時間ができたので練習会へ。帰宅後また仕事ですけどね。T_T

都合によりコーチが1人だけとのことで、みんなまとめてレペでした。

ランナーのみなさんには説明不要ですが、レペはレペティションの略。全力で走って完全休憩して心拍数を戻し、また全力……を繰りかえすトレーニングです。私の場合、本日、全力を振り絞ったかって……? どうか聞かないでくださいまし。

参加者は15人くらいかな。800mのコースを周回します。

設定は、3,000m20分まわし)+ 2,000m15分まわし)+ 1,000m

1キロ5分ペースだとしたら、3,000mと2,000mのあと、それぞれ5分間のインターバルがあるということです。

おとといのジョグで、坂道ふくめ50〜150mのWS(ウインドスプリント)を15本くらい入れ、うち1、2本、胴体を使ったいい感触をつかめました。再現できるかな。

わざと10秒遅れくらいでスタートした私。設定ペースに関してはまったくのノープランです。最初の3,000mを4:15/km、以下4:00/km、最後の1,000mは4:00/km未満でいこうかな、とぼんやり思っていましたが、最初からみんな速いので、こちらもつられました。何人か抜くうちに、4:05/kmで走ると言っていたコーチの背中が見えたので、追いかけます。ラスト400mは息が弾みました。結果、

  • 4:044:004:0212:06

折角なら12分カットしとくんだった。

つぎの2,000mは8:00と目標を定めます。最初より1,000m少ないので気が楽です。

  • 4:003:597:59

計画通りまとまりました。ラスト200mは息が苦しかったけど、「脚ではなく胴体で行け!」と自分に言い聞かせました。

最近、左回りのこのコースを走ると左足のアキレス腱がズーンと痛みます。路面が硬いせいかな。新品のソーティを履いていました。

最後の1,000m。またまた最後尾からスタート。2本やったあとだと、同じペースでも楽になると実感します。少しあげたいけど、4:05/kmペースのコーチの後ろに総勢5人のグループができていて、抜けません。最後の300mで1人抜けだしたら少しバラけたのであわててスパートしましたが、追いつけず。無念。

  • 3:47

ラスト1,000mはやや悔いが残りますが、どれもラストスパートして心肺を追い込んだので、いい練習になった気がします。この設定のレベはだんだん距離が短くなるぶん気持ちがラクになりますね。おもしろいかも。

スピード持久力はわからないけど、スピードは戻ってきました。

アップとダウンふくめて14kmでした。

『白米が健康寿命を縮める』……チョーこええ。

 ※説明するのが面倒くさいので、今回は炭水化物と糖質をごちゃまぜに使います。

 数年前、テレビで見た村田諒太選手と女性タレントの会話。
 女性「どんな料理が好きですか」
 村田「ん〜、和食は苦手です」
 女性「ええッ! 和食はヘルシーなのに」
 村田「食べたあと、口のなかがベタベタするのがイヤなんです」
 ……私の感想はこうです。「村田選手よ、私には分かるよ」

20年くらい前、禁煙してから、甘さに過敏になりました。ある日、ビールを飲んでいると、いつもより格段に甘い。「誰かが角砂糖いれたのか?」とあたりを見ました。煙草を吸っているあいだはビールの甘さを感じてなかったんですね。

走りはじめてから「本来、人間はどんな動物だったか」と考えるようになりました。前にも書いたとおり、人間の食事に関して私なりの結論は出ています。

 虫歯になる食べ物は、もともとの人間の食べ物ではない。

『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書)などには血糖値上昇の弊害や糖新生のメカニズムから炭水化物は必須では無いと説明されますが、もっとシンプルに、甘いものは虫歯になるからそもそも人間の食べ物ではない、と言えるはずです。ビール、日本酒、ジュース、お米、パン、砂糖の入った料理やお菓子などを食べると口がベタベタします。あの粘りは炭水化物に共通ですよね。

人間の歯は霊長類のなかでもかなり硬いと、島泰三『親指はなぜ太いのか』(中公新書)にあります。その頑丈な歯を齲蝕(うしょく)させるものが糖質です。野生動物は虫歯になると命取りでしょう。かつては人間だってそうだったはずです。われわれの身体は糖質を摂るように設計されていないのです。

虫歯になる・ならないの観点から人間の食事について書いた本はないかと検索していると、花田信弘『白米が健康寿命を縮める』(光文社新書)見つかりました。サブタイトルは、「最新の医学研究でわかった口内最近の恐怖」。

一読……ああ、こわかった。

あまりにもこわいのでサーッと斜め読みし、おそるおそる読み返しました。

虫歯の穴や歯肉溝から侵入した細菌が体内にいじわるをし、血管系の病気や、がん、認知症につながるというのです。慢性炎症を引き起こし、ジワジワ身体をむしばむというのも恐ろしい。その影響は私の想像を超えていて、チョーびびりました。足の動脈と口内細菌は9割方一致するんですって。

はい! 歯磨きします! 歯医者に行きます! 糖質は極力避けます!

砂糖と、加熱して糊化した穀物や芋類のデンプンは大敵らしい。

砂糖は頑強なエナメル質を融かし、米はその内側の象牙質を虫歯にすると書かれています。和食はじめアジア料理は砂糖をふんだんに使います。

旧来の主食重視は理想の食事ではない、と著者も書いています。瑞穂の国に生まれた我々は、お米を残さずたくさん食べることこそがいいと教えられてきましたが、それにより病気になるのであれば、見直すことも必要です。この本にあるとおり、カロリーという概念も見直すべきです。虫歯になる甘いものばかり食べてカロリーを稼いでも仕方ない。必要なのは、人間がもともと必要としている栄養素だもの。

……ひとつ疑問なのは、果物です。

果物では虫歯になりませんか? 私は果物は多少食べたいんですよね。たとえば、オレンジ色ではなく黄色い柑橘類は、比較的甘みが少なく酸味がまさっています。これからの季節だと、蜜柑は嫌いだけど、金柑は好物です。

熟れたバナナは口がネチャネチャしていて苦手ですが、どうなんだろう、サルはバナナを食べて虫歯にならないのかな、と思ったら、こんな記事(動物園の食卓革命 バナナ禁止、サル健康に:朝日新聞デジタル)がありました。

サルにバナナなどの果物をやめたら肥満がなくなり虫歯も減ったとの英国の動物園の発表を参考にした。

雑食できる人間は火を使うことで米や麦や芋、アク抜きしたドングリを食べられるように加工しました。結果、安定的な食糧を得て人口は爆発的に増加しましたが、一方で糖質による病気や肥満に悩まされました。

生態系から飛び出したわれわれは地球上に殖えすぎたのではないかしら。考えれば考えるほど、甘くて(私以外には)美味しくて罪深き、炭水化物。

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この本で、目から鱗が落ちたことをひとつ。

675年、天武天皇が肉食を禁じたのは仏教的な考えに基づくものだといわれてきましたが、著者は否定しています。禁猟は春から秋までと定められていました。農耕期はきちんと農業に従事させ、年貢を確保させたかったのだ、と言うのです。動物よりも米は管理しやすく税金をとりやすい。なるほど。